【IT用語】サーバーとは?種類や役割を図解付きでわかりやすく解説します

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サーバーとは?

サーバーとはサービスを提供するための処理を専門とするコンピューターです。

ネット上のあらゆるサービスはサーバーから提供されている

皆さんが普段から利用するウェブサイト、アプリ、メールなどのサービスは裏側にはサーバーの存在があります。

こういったサービスを利用する際に皆さんは「アプリを起動する」「ボタンやリンクをクリックする」という動作の中で無意識にサーバーに対して注文を送っています。サーバーはそういった注文(リクエスト)を受け取り、返答(レスポンス)を皆さんの端末に送っています。

サーバーとパソコンの違いとは?

サーバー(サーバーコンピューター)も、パソコン(パーソナルコンピュータ)も同じコンピューターを示すIT用語ですが、コンピューターの使用目的により「サーバー」や「パソコン」と分けて呼びます。

パソコンはユーザー自身が所有し生活をより便利にするためのコンピューターです。

サーバーはユーザーがネットワークを介してサービスを提供するためのコンピューターです。

サーバーの対にあるクライアント

サーバーに関連して覚えておきたいIT用語にクライアントという言葉があります。

クライアントとはサーバーと通信をしてユーザーにサービスを提供する端末のことです。
なのでiOアプリを使っている時はiPhoneがクライアントとなりますし、PCメールを送受信しているときはそのパソコンがクライアントとなります。

サーバーとクライアントは対比の関係として表現されますので「クライアント」を理解しておくと、より「サーバー」という言葉の意味を捉えやすくなるはずです。

注意

クライアントは広い解釈で「受け取るもの」という意味を持つ英単語ですので、一般的なビジネス用語の文脈では取引先の会社などを示している場合があります。

会社目線でのクライアントは「顧客、取引先」と、サーバー目線でのクライアントは「PC、スマホ」など、同じ言葉でも示すものが異なるケースがあるのでご注意ください。

サーバーを更に詳しく知る

サーバーについてもう少し詳しく見ていきましょう!

基本的な仕組みはパソコンと似ている

サーバーはコンピューターなので基本的な仕組みはパソコンとも大差ありません。
ハードウェア(CPU、メモリ、ストレージ)があり、中でソフトウェア(OS、プログラム)が動いています。

ただ、その大部分は通信・計算・処理がメインです。
パソコンのようにユーザーが操作する必要性は薄いので、ディスプレイやキーボードは無く箱型の本体のみで稼働しているものが大半です。

データセンターとは?

GoogleやMicrosoftなど膨大なユーザーがいる会社は、自社で大量のサーバーを運用しています。
サーバーは各サービスの心臓部なので様々な地理的要因、電力供給、外交政策などのあらゆる方面から考慮したうえでリスクが少ない場所に集約させて管理しています。

このような場所をデータセンターと呼びます。
データセンターの内部の様子を見ると大量のサーバーがタワー型に積み上げられ、人間やロボットによってシステマティックに管理されている様子を見ることができます。

サーバーのOSにLinuxが多い理由

サーバーもコンピューターなので基本的な制御をするにはOS(オペレーティングシステム)が必要です。

皆さんのパソコンでもWindows、macOS、Chrome OSなど人によって様々なOSが動いてますが、サーバーの場合はほぼ全てがLinuxリナックスというOSによって動作しています。
サーバーのOSにLinuxが多いのには明確な理由があります。

オープンソース

Linuxはオープンソースソフトウェア(ソースコードが公開されているソフトウェア)です。
なのでサーバーにバグが発生したとき、パフォーマンスを向上させたいとき、セキュリティの問題を追求したりするときに専門家であればソースコードから問題の分析や改善を行うことができます。

安定性と信頼性

LinuxはUnixユニックスを基盤とした生まれたOSです。
Unixのアーキテクチャは安定性と信頼性に優れており、サーバーに最も必要とされる条件を満たしています。
皆さんが普段から利用するウェブサービスの大半はいつでも期待通りに動いてくれるはずですが、その背景にはUnixに由来するLinuxの安定性と信頼性があってこそのものなのです。

セキュリティ

サーバーは誰でもアクセス出来るという特性上、数え切れないほどの攻撃を受けることになります。
Linuxはこういった悪意あるアクセスから保護するためのセキュリティ機構持っており、サーバーが満たすべきセキュリティ水準に最適なのです。

拡張性

LinuxはOS自体は非常に柔軟な拡張性を持っています。
サーバーは提供するサービスの変化やリソースの増加に合わせて拡張する必要性を求められます。
Linuxならそういった要望の多くに柔軟に応えることができます。

また、Linuxはオープンソースなので世界中の開発者がLinuxに追加機能を加えるパッケージを無数に公開してくれています。こういったパッケージを利用することで開発工数を最小限に抑えることが出来ます。

コスト

Linuxはオープンソースソフトウェアなのでライセンス料が発生せず、サーバーの管理コスト低下に大きく貢献します。これがWindows系のサーバーOSを利用しているとそうはいきません。

サーバーの種類

物理サーバー

専用サーバー

ひとつの物理サーバーを自分専用のものとして運用できるサーバーのことです。

共用サーバーに比べるとカスタマイズの自由度が高く、より高度なウェブアプリケーションを稼働させたり、任意のソフトウェアをサーバーに組み込むことができます。
ただし、サーバー周りの知識がないと運用が難しいことと、コストが共用サーバーと比較すると高くなる、というデメリットも存在します。

共用サーバー

ひとつの物理サーバーを複数の利用者で共用(シェア)して運用するサーバーのことです。

安価なレンタルサーバーは共用サーバーであることが多いです。
メリットとしては費用が抑えられること、運営元が管理してくれるのでメンテナンスコストが掛からないことがあります。しかし共用という都合上、カスタマイズが制限されていたり、他の利用者の影響でサーバーに異常が生じた際にその影響を受ける、というデメリットも存在します。

仮想サーバー

物理サーバー上で区分けして複数のOSを稼働させることで、仮想的に複数のサーバー環境を運用するサーバーのことです。

クライドサーバー

クラウド環境に構築されている巨大なコンピューターから、必要な文だけのサーバーリソースを選び構築するサーバーのことです。
柔軟性が非常に高くサーバーのスケールやコスト管理の裁量を大きく管理することができます。
その自由度の高さからサービスの成長に合わせて柔軟にサーバーも成長させていくことが出来ることから、スタートアップ企業から大手ベンダーまで多くの企業に採用されています。

VPS

VPSとはVirtual Private Serverバーチャルプライベートサーバー(仮想プライベートサーバー)を略した言葉です。
共用サーバー内で仮想的にプライベートなサーバーを構築し、コストは抑えつつもカスタマイズの自由度を確保した「共用サーバーと専用サーバーの中間」のような特徴を持ちます。

ローカルサーバー

ローカル環境(パソコン)に仮想的に構築するサーバーのことです。
ローカルサーバーはサービスの提供ではなくサーバー環境が必要なソフトウェアやアプリを開発する際の検証、実行環境として用いることが一般的です。

サーバーの用途や役割

サーバーの用途や役割は細分化することが出来、それにより呼び方が変わります。

ウェブサーバー

ウェブサーバーはウェブブラウザ(例:Google Chrome)からのリクエストを受け取り、必要なコンテンツを送信しウェブブラウザに送信する役割を持ちます。皆さんがネットサーフィンをする時は裏側でウェブサーバーがたくさん動いてくれています。

ウェブサーバーはウェブページのコンテンツ(HTML、CSS、JavaScript、画像など)を保管しています。

アプリケーションサーバー(APエーピーサーバー)

アプリケーションサーバーはウェブサーバーと連携して複雑な処理をこなす役割のサーバーです。

皆さんが利用するウェブサービスやアプリはユーザーそれぞれに最適な結果をみることができます。
これはアプリケーションサーバーが様々なプログラムを実行して必要なデータを加工したり、条件に応じた結果をはじき出しているからです。
アプリケーションサーバーはこのように処理の中枢を担うので比較的高いスペックが要求されます。

データベースサーバー(DBディービーサーバー)

データベースサーバーはDBMSディービーエムエス(Database Management System = データベース管理システム)を搭載し、DBMSにより管理されているデータベース上のデータを送り返す役割のサーバーです。

データベースは企業にとって非常に重要であり、安全に保管する義務があるため、データベースサーバーは安全性を確保するための冗長化構成を構築したり、高い耐障害性を確保するなどの役割を担っています。

メールサーバー

メールの送受信する役割を持つサーバーです。

ネームサーバー(DNSディーエヌエスサーバー)

ネームサーバーはDNS(Domain Name System)というドメインをIPアドレスに変換する仕組みを稼働するためのサーバーです。

キャッシュサーバー

キャッシュサーバーはウェブサイトなどのコンテンツを複製を保存し、本来のサーバーの代わりにユーザにコンテンツを配信する役割のサーバーです。

キャッシュサーバーにより特定のサーバーに負荷が集中することを未然に防いだり、セキュリティの向上などの恩恵を受けることができます。